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PICライター(PICerFT)の製作

 私の製作物の中でPICを使ったものはそのソフトウェアを提供していますが、それをPICに書き込む安価なツールが欲しいという方がおられるかもしれません。
純正のツールはデバッガー機能もあるので高価ですので 書き込み機能だけで安価なものを作れないかインターネットで探してみたところ、PICerFT という素晴らしいものがありましたので作ってみました。

PIC_Writer.jpg

 今回PICライターを製作するにあたり、これまでのいろいろなものを製作した際に購入した部品が結構余ってたので USBシリアル変換器AE-UM232R以外は新規購入しないというコンセプトでチャレンジしました。従いまして今回製作したものはオリジナルのPICerFT回路とは部品や回路が異なる箇所があります。
今のところ PIC12F1840, PIC16F1827, PIC24FJ64GA002, dsPIC33FJ64GP802 での書き込みは問題なくできていますが、他のデバイスについては検証できていませんので推奨できる回路ではありません。
回路と部品についてはあくまでもオリジナルのものを推奨しますが、抵抗器についてはチップに変えても良いのではないかと思います。その際には今回紹介している基板サイズと構造でも収納できると思いますので何らか参考になる部分があるかもしれません。

資料は以下で閲覧・ダウンロードできます。
回路図ならびに製作図
使用方法

 PICライターの部品コストは1,500円程度ですが、部品によってはパッケージ(複数個入り)購入なのでそれで計算すると2,500円程度かかると思われます。

今回製作した回路について説明します。

・ VPP電圧の元電圧生成にQ1 (2SC1815)でスイッチング動作していますが、安易に異なるトランジスターを用いるとスイッチング性能が悪かったりドライブ条件が不適当でQ1が発熱して発煙や発火に至る事があります。(この際Q1がショートモードで壊れるとL1を大きな電流が流れてL1も発煙・発火を起こす可能性があります。)
またスイッチング特性の低下やオン抵抗が増えたりすると十分な出力電圧が得られないこともあります。(L1の特性も出力電圧に影響します)
こういったことからQ1, L1についてはオリジナル回路で使われている部品を使うのが無難です。
私の製作した回路ではオリジナルと異なるものを使っていますが、オシロスコープで波形を確認したり部品の温度を確認して使っています。ただし同じ型のトランジスターでも個体差があるので推奨はできません。

・ VPP電圧生成に可変電圧レギュレーターNJM11100をIC2に使っていますがオリジナルでは12Vと9Vのツェナーダイオード 2本だけです。ツェナーを持ち合わせていれば当然それを使ったのですが、無かったのでNJM11100を使いました。
始めはNJM11100の電圧検出抵抗(R11~R14)は現在の値の1/10の値で構成していましたが、負荷が重くてIC2の入力電圧が低下して9Vの出力が出ませんでした。そこで電圧検出回路の抵抗を10倍したところ、9Vは出るようになったのですが未だ12Vは出ませんでした。更なる負荷の軽減のためR3,R4,R8の抵抗値を大きくし Q2をPチャンネルFET(AO3401)にしたら12Vが得られるようになりました。
但し、実際にVPP電圧12V品のPICを繋いで負荷を増やしたときに十分な電圧が出るかどうかは そういうデバイスを持っていないので確認しておりません。
<2023.10.14記> VPP電圧生成に関しては「PIC&ESP32書き込みツールの製作」で使っている回路やST662Aを使う回路などにするとVPP電流が大きめのデバイスでも安心して使えます。

・ RST信号(AE-UM232RのRI#出力)はLowレベルの出力が若干高い様でQ4にはコレクター電流が流れます。R3の値を大きくしたのでわずかなコレクター電流でもQ2をONするに十分なゲート電圧を生じていたので、R15を追加してQ4のベース電流を減らして(すなわちコレクター電流を減らして)Q2のONを防いでいます。


<2023.10.12記>
PICとESP32兼用書き込みツールを作りました。こちら参照。

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ESP32書き込みツールの製作


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