SSブログ

動物センサー子機用 新ソーラー電源

太陽電池を使った動物センサー子機の製作」ではソーラーパネルにSharp LR0GC02 (max.300mW @4.5V, 秋月電子で購入)を使い、そのパネルを載せる為に子機の円筒ケースに塩ビパイプ 呼び径65(パネルを載せる塩ビキャップ径は83mmm)を使いました。
元々センサー子機に使っている焦電センサー PaPIRs(EKMC1603111、EKMC1604111)は平均消費電流170uAなので最大4個使っても680uA、TWELITEの通信による平均消費電流を含めても総消費電流は1mA以下と思われますので LR0GC02程大きな電力のパネルでなくても良かったですが、日本メーカー製で信頼できる事、値段が安価(200円)である事や安定して供給されている事から使いました。

しかし最近アルカリ乾電池を電源とする子機(センサー2個まで)はケースサイズの小型化を行い塩ビパイプの呼び径が40や50の物が作れるようにしたので、これに合わせてソーラーパネル版も細いパイプが使えるようにしたいと考えるようになりました。(塩ビ材のコストダウンにもなります)

そこで通販でもっと小さいサイズで4.5~5Vで最大出力のソーラーパネルを探したのですがなかなか適当なサイズ・出力特性のものが無く、ようやくアマゾンで見つけたのが次のものでした。

Fielect ミニソーラーパネル 25MA 5V(45mmx26mm) 5個入り 669円(2022.12月時)

これを使ってメンテナンスフリーの電源が作れるかを検討してみました。
図1はニッケル水素電池にPanasonicのHHR-P104を使用した場合のシミュレーション回路です。

図1 子機ソーラーパネル小型化検討回路1
子機用ソーラーパネル検討回路.jpg

上記回路で使っているHHR-P104は秋月電子で値段が100円と安くて良いのですが、購入できないことがあったので単4ニッケル水素電池を使う事も検討する事にしました。
しかし単4のニッケル水素電池は安いものでも1本 200円程度するので、3本使い(HHR-P104と同じ電圧にするため)ではなく2本使いで出来ないかと考え、昇圧コンバーターを使った図2の回路も検討しました。

図2 子機ソーラーパネル小型化検討回路2
子機用ソーラーパネル検討回路2.jpg

(結果)
回路1と回路2の充電能力を調べる実験を行いました。 => 結果

2日間の電流消費を回路1では晴天3日、回路2では晴天5日で回復する余剰電力があり、電池のメンテナンスフリー化は可能と思われる。
但し回路2の場合少し余裕が小さいので、場合によっては単4ではなく単3を使って蓄電量を大きくしておくかセンサー数を2つまでに限ると安心です。


<2023.01.18追記>
当記事の内容を反映した「PaPIRs焦電センサーを使った無線子機の製作(最新仕様)」を書きましたのでご参照ください。 
<追記終わり>


>> ブログ記事一覧へ
nice!(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

乾電池2本使用の焦電センサー用電源

 PanasonicのPaPIRSにはEKMBシリーズのように電池駆動用の最小電源電圧2.3Vの焦電センサーがあり、これらは消費電流も小さく乾電池2個直列でも長時間使用することができます。しかし通販で探すとかなり高価で、廉価なモデルはやはり最小電源電圧3V品となってしまいます。
また他のメーカーの焦電センサーでも最小電圧が2.7Vや3Vといったものが多いようです。
これらのデバイスを乾電池2個直列で駆動しようとすると電池が規定電圧内にある時間が短くてあまり実用的ではありません。(デバイスの実力として2.5Vぐらいでも動作するということはありますが、やはりそれを期待した設計は好ましくありません。)
これまでは安易に電池を3個直列にしていましたが、電池1個の差で収納ケースが一回り大きいものになっていました。
そこで収納ケースをスリムにするために電池2本を使って最小動作電圧3Vの焦電センサーを駆動する回路を検討してみました。
方法としては昇圧コンバータを用いれば良いのですが、小電流では効率が悪いという先入観もあって電池寿命が心配でしたので回路を作って実測することにしました。

回路は簡単に入手できるデバイスを使って次の2つの方式を作りました。
1. チャージポンプ電圧コンバーター
2. PFM 昇圧DC-DCコンバーター

コンバーター回路は図1に示すもので、センサー回路は図2に示すものです。
図3に電池電圧変化のデータを示します。
電池は単四(Fujitsu Premium S)を使っていて、他のサイズの場合はこちらの資料から推定します。
ラフな計算ですが 単三は 2.4倍、単二は6.5倍、単一は13.8倍となります。

図1 コンバーター回路
電池2個方式寿命テスト.jpg

図2 センサー回路
PaPIRs回路.jpg

図3 電池電圧データ
電池データ.jpg

 チャージポンプは基本的には入力電圧の約2倍の出力電圧を得るようになっているので電池の電圧によって出力電圧が変わります。この電圧範囲がセンサーの動作電圧範囲内にあれば動作上は問題ないのですが、出力電圧が高いとロスになる電力が増え電池寿命を短くするのでできるだけ低く抑えたいところです。
そこでアプリケーション回路では本来10uFを使っているチャージコンデンサーを 0.5uFに変更しました。
出力電圧は電池電圧と負荷状態によって変わり、図1内の表のようになっています。
安定した一定電圧ではなく、またTWELITE送信時の電圧ディップもあるのですが、PaPIRsは内部にレギュレータを持っているせいか問題なく動作しています。
(PaPIRs以外のセンサーを使った回路ではTWELITEの通信時の電圧ディップが誤動作を引き起こす可能性があります。その場合にはフィルターの強化やレギュレータの搭載などの対応が必要かもしれません。)

 出力電圧が電池電圧に左右されないPFM DC-DCコンバーターは本命であったのですが、電池寿命が心配でした。
しかし上記寿命テストの途中結果を見ると2か月以上使えそうな様子でしたので、設置予定であった「LEDストリング害獣撃退装置」のセンサー子機をこの回路を使って製作してみました。 => 参照
子機のケースサイズも小さくできてスマートな形状になりました。

<2023.01.18追記>
当記事の内容を反映した「PaPIRs焦電センサーを使った無線子機の製作(最新仕様)」を書きましたのでご参照ください。 
<追記終わり>


>> ブログ記事一覧へ
nice!(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー