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LED動物撃退器の製作

2022.02.25 回路の改良変更に伴い記事を再編集しました。 以前の製作資料については最後部に記載してあります。
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 猿検知通報装置の設置で猿が来なくなったものの夜間に畑を荒らす動物(狸らしい)が出るのでこれを何とかして欲しいという親戚からの依頼で、LEDを使った撃退装置を作ってみました。
この方式の撃退装置は安いものが多く市販されているので手間やコストを考えるとそれを買った方がよいのですが、猿検知装置開発用に買ったセンサーが結構余っていて、処分するのももったいないので それを使って自作してみました。
機能は、焦電センサーで動物を検知すると一定時間(設定可能) 発信回路を作動させてLEDをフラッシングし、更にその間ブザー音を間欠で出力するというものです。
//<2023.05.22追記>  我が家では野良猫が夜に庭の芝生にする糞に悩まされていましたが、これを設置してから約3年の間夜の糞害は一度もありません。 (昼間は一度だけあります。ただこの撃退器は昼間はフラッシングしないので効果はありませんでした。) また、最近では猫があまり来なくなりました。 //

写真1 自作のLED動物撃退装置
LED動物撃退器写真.jpg

回路図や製作方法はこちらの資料にまとめてあります。
PIC方式の場合のプログラムはこちらからダウンロードしてください。

 LEDフラッシングは昼間はあまりインパクトがないので夜だけ行いたいという時のために、発光(フラッシング)する/しないを環境の明るさに応じて行うような設定が可能です。(スイッチ設定で環境の明るさに関わらず動物検知時にフラッシングさせることも可能。)
フラッシング継続時間はPICマイコン方式の場合最大約60秒で、ボリュームで調整可能です。
マルチバイブレータ方式の場合はボリュームで約10秒から20秒の間で設定可能ですが、もっと長い時間を設定したい場合はU1 15pin につながるRC時定数回路の定数を見直してください。

 動物検知時の間欠ブザー音出力は使用する焦電センサー回路により、LEDフラッシングが行われている間のみ出力される場合(SB612A使用時)と、LEDフラッシングが行われなくても出力される場合(PaPIRs+外付けCdS使用時)とがあります。
後者では、昼間は間欠ブザー音出力のみ、夜はLEDフラッシングと間欠ブザー音出力の両方を行うというような設定ができます。
 間欠ブザー音が動物撃退に効果あるかどうかは分かりません。半ば実験的に搭載しているものですので、不要な場合は回路を削除してください。 周波数は人には聞こえない超音波にしたかったのですが適当な音圧レベルのサウンダー(スピーカー)が無かったので、入手できるものである程度の音圧がある周波数ということで5kHzに設定しました。

 LEDは始め1WのパワーLEDと径20mmぐらいのレンズを使ったものを2組使ってみたのですが 発光インパクトが弱いので、明るいCOB LEDを使った市販の安価なLED作業灯を購入し、分解してCOB LED、リフレクタ、透明プラスチックカバーを流用しました。

 電源はソーラーパネルとニッケル水素電池を使ってメンテナンスフリータイプにしました。
使用前にニッケル水素電池は使用前に十分充電してください。充電はソーラーパネルの代わりにDC 5V電源を繋いで充電できます。私は古いスマホ充電用のACアダプター(5V/850mA)を使っていますが、電流容量が小さいとアダプターが壊れるかもしれませんので注意してください。
フル充電ではなくても良いのですが、少なくとも12時間程度は繋いでおいてください。

 フラッシング・間欠ブザーの制御回路はPICマイコン(PIC12F1840)を使う方式とマルチバイブレータを使う方式の2つを作りました。
 PICはIDEや書き込みツールが必要なので開発環境の無い場合は手間やコストがかかりますが、環境がある場合は回路を簡単にできて便利です。 なお、今回ブザー用の発振回路にTC74HC00APを使っていますが、 プログラム変更してPICに発信機能も持たせこのICを削除することが可能だと思います。 (その場合PICのクロック周波数を上げる必要があると思いますが、通常時はsleepモードに入るようにしてあるので消費電力的には問題ないでしょう。) 単一周波数のブザーよりいろいろ変化させた方が良いそうなので、ご興味おありの方はPICプログラムを変更してトライされてみてはいかがでしょうか。

 使用するセンサーは市販モジュールSB612Aを改造したものとPanasonicのPaPISsシリーズセンサーを搭載した自作基板のいずれかを使用可能です。ただし後者の場合、周囲の明るさ次第でLEDフラッシングするようにするためには別途CdSを取り付ける必要があります。


青色LEDフラッシャー  <2022.04.27追記>
 
 害獣撃退には青色LEDが効果がありそうだとのことがインターネット上に見受けられるので、青色LEDのフラッシャーを作って実験することにしました。
しかし上の製作で使ったCOB LEDタイプの明るい作業灯のようなものが青色LEDでは見当たらなかったので、 青色高輝度タイプ角型LEDを購入し基板上に10個搭載(5個2列)してみました。
リフレクターは小さなタッパー容器に菓子の包装用アルミ蒸着フィルムを取り付けて作りましたが、加工が面倒な上にいまいち反射が良くありませんでした。 途中で「この次作るとしたらこの方法はないな」と思いながらとにかく完成をしました。

回路図、製作過程はこちらです。
PICのプログラムはこちらからダウンロードしてください。

使用した青色LEDはVFが4.6V (5.5Vmax)なので充電池の電圧では低く、昇圧コンバーター(LMR62421昇圧型スイッチング電源モジュール、 3.5~24V)を使って9V程度の出力でLED2個直列を5組ドライブしています。
このモジュールは出力制御ができるように改造し、それを使って発光をON/OFFしています。

その後調べたところ 「3W COBタイプ ハイパワーLEDバー ストライプ 青色」というのが存在することがわかりました。 (YAHOOショッピングで300円程度)
上の製作で使った白COB LEDと同じようなサイズなので置き換えて使えると思います。
また電圧が3Vで良いようなので昇圧コンバーターを使う必要もないので、次回作るとしたらこれを使いたいと思います。


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以下は再編集前の記事の摘要。

・回路や作製方法はこちらの資料にまとめてあります。
・ソーラー電源部の回路は、より簡単な「小電力ソーラー電源」の記事のものに変更することを推奨します。(2021.10.13)
・間欠ブザー回路追加: 回路図・基板製作 => 参照 (2020.12.05)
・基板濡れ:こちらの防水対策を行いました。 (2020.07.22)
・パネル結露と対策: 写真  (2020.08.09)


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