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動体センサーの実験

市販のセンサーを使ってどの程度の動体(生体)検知ができるかを実験します。
その内容と結果について書きたいと思いますが、一度に全てはできないので終了し次第順次追加して行きます。
(ただしこれまでの記事で使用した焦電センサー、ミリ波レーダー、Grid-EYE は基本的には対象としません。)
本格的な設備や環境下で十分時間をかけた実験ではないので結構ラフな内容になるかと思いますが、ご容赦ください。

1. 超音波センサー
2. 24GHzドップラーセンサー
3. 赤外線リモコンデバイス
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1. 超音波センサー
検出物の距離測定というより測定可能範囲に生体動体が入った場合の検知性能を調べます。
市販されているセンサーには一見同じような物に見えるのに値段がかなり高いものもありますが、今回使用したセンサーは安価なものを選び、写真1に示すものです。

写真1 使用センサー
超音波センサー.jpg

接続は図1に示すようになっていて、距離測定はArduino UNOを使い表示はRaspberry piを使っています。測定もRaspberry piで行うことも可能ですが、実用する場合には測定にPICマイコンやArduino系デバイスを用いようと考えているので今のうちからそうしています。

図1 実験システム
測定システム.jpg

図2はセンサー前方、斜め前方のある程度の距離内に音波反射物の無い環境でセンサーから2~2.5m以内に人が侵入した場合の検出波形です。これを見ると検出距離は短いですが生体の検出ができそうです。

図2 前方に反射物がないときの侵入生体検出結果
検出結果.jpg

他の実験とまとめを含めた資料はこちらからダウンロードできます。

実験に使用したArduinoプログラムと表示に使用したRaspberry piプログラムは下記よりダウンロードが可能です。パッケージ内の Setupファイルを参照して設定してください。
=> ダウンロード

(まとめ)
・センサー前方や斜め前方のある距離内に反射物がない場合、センサーから2m(US-015)、2.5m(HC-SR04)程度までの距離内に侵入する人(成人)の検出が可能と考えられる。
犬猫などの動物も検出できると思われるが、検出可能な距離は未調査。

・反射物がある場合でもその検知距離が安定している場合は、人や動物の検出距離がそれと重ならなければ検出が可能と考えられる。(今回使ったシステムを使用してバックグラウンドの検出物の距離プロットと検出対象物のプロットを表示すれば判断できる。)

・検出感度はHC-SR04の方がUS-015より良い。また、測定ソフトによっても検出に違いが出る。


2. 24GHzドップラーセンサー
24GHz帯を使った新日本無線製 超小型ドップラーセンサーモジュール NJR4265 J1の検出性能を実測しました。

センサー側は図3に示す回路で、検出信号は無線で受信機に送ることができるので受信機を持ちながら歩き検出範囲を知ることができます。
写真2は使用したセンサー回路と受信機で、受信機は「ESP32 & 2.8“ G_LCD一体型ユニットの製作」で作ったユニットを利用しました。

図3 センサー周辺回路図
Doppler実験機回路.jpg

写真2 実験機器写真
Doppler実験機.jpg

表1に結果を示します。
検出感度設定用の閾値電圧は、無印加の場合(オリジナル状態)とVdd電圧印加(最大感度)の場合についての測定です。

表1 検出距離結果
Doppler実験結果.jpg

最大感度では仕様書通り10mの検出が可能でした。
ただ、最大感度では3, 4mの距離にある木や草の揺れにも反応していたのでので、実用の際には周辺にそういうものが無いような場所に設置することが必要そうです。
またアンテナパターンは比較的斜め横方向にも感度が良いので、センサー近場の左右それぞれ90度の広範囲に木や草が無いようにしておく必要があります。
検出距離が短くて済むのでしたら、感度を下げてそれらの検出を防止するようにした方がよいでしょう。

受信機用のソフトウェア(ESP32用)はこちらからダウンロードできます。
デバイスの個体識別ID(81から始まる8桁)には使用するTWELITEのものを入力してコンパイルしてください。

MONO TWELITEのインタラクティブモードでの設定は子機のみ必要で、t: set mode4 sleep dur (1000ms) を 10,000mSに設定してください。

性能的には我が家の庭に設置して実用できそうな感じなので、ケースに入れるなどして設置してみたいと思います。
電源は家庭用電源から供給したのでは面白くないのでソーラーパネルを使ってみたいと思うのですが、市場で入手できる安価なもので適当な電圧出力のものは2W程度であり年間24時間使用では電源メンテナンスフリーは難しそうです。
とはいうもののとりあえず進めてみようと思います。
製作については 別記事 「24GHzドップラーセンサーを使った動体検知」を参照願います。


3. 赤外線リモコンデバイス
市販されている赤外線リモコン用のLEDと受光モジュールの通信距離を調べてみました。
受光モジュールはPIC79603(KODENSHI)、SPS440(SANYO)、送信用赤外線LEDはOSI5FU5111C-40(OptoSupply)、L2388-01(浜松ホトニクス) について測定をしました。

図1に実験用回路を示します。
またESP32のソフトウェアはこちらからダウンロードできます。

図1
IR送受信回路(ESP32).jpg

結果は表1のようになりました。

表1
IR通信距離データ.jpg
受光モジュールは外光が入るとエラーを起こすので径20mm、長さ50mm程度の遮光筒を使用。

L2338-01は高光出力とあったので期待したのですが意外と通信距離が伸びず、指向性が鋭いのかと受光器を上下左右に動かしてみたのですがこれ以上の距離では受信できませんでした。
受光モジュールPIC79603は電源3.3Vで扱いやすいのでうまくいけばと思ったのですが、レンズ部分が小さいせいかやはり感度が物足りませんでした。

ということで当面の実験にはSPS440 と OSI5FU5111C-40を使いたいと思います。
で、これを使って何をするかということですが、動体検知システム(実験機)を作ります。
内容は別記事「赤外線リモコン用デバイスを使った動体検知」として記載しますのでそちらを参照願います。


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