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LEDストリング害獣撃退実験機の製作

 青色のLEDストリングライトを使って夜間における動物撃退効果を実験するための装置を作りました。
撃退効果の有無については未だ分かりませんが、他用途への転用もできるかもしれませんので紹介いたします。 <2023.11.14 最後部に結果を追記>

図1に示すように動物センサー子機を畑から数mから30m程度離れたところに設置し(複数設置可)、動物を検知したら畑の周囲に設置したLEDストリング点灯機(複数設置可)に無線で検知信号を送りフラッシングや点滅を行って威嚇するというものです。

図1 LEDストリングを使った害獣撃退装置
LEDストリング害獣撃退.jpg

ストリングの場合「LED動物撃退器の製作」で作ったもののようなフラッシング光のインパクトはないですが、発光体の繋がりで広がりを持たせることができるので大きな敵のように見せかけた威嚇効果があるのではないかと期待しています。

LED点灯機回路はソーラー電源を使っていて、日中は無線回路をOFFして電力消費を抑えるようにしてあります。(子機は検知信号を送信しますが点灯機は受信しないのでLEDストリングは発光しません。)
点灯機は、5m 100球のLEDストリングを2本取り付けたもの(Type A)と 10m 100球を2本取り付けたもの(Type B)の2組作りました。 
Type AはLEDストリングの発光制御をPICで行い、点灯仕様はプログラムで決まります。 一方 Type Bは既存のイルミネーション製品を改造したもので、内蔵の専用ICで特別な点灯仕様が決まっています。
Type A はType Bより明るいですがLEDの点灯消灯の時間を変える事しかできません。 Type Bでは一つ置きに点灯するモードや明るさの強弱もあります。
PICのプログラムでは、Type Aの発光仕様はLED ON時間とOFF時間の設定パターン(4モードある)を設定した時間で切り替えており、Type Bの場合は7つある決まった発光仕様から4つを選択してそれを設定した時間で切り替えています。

センサー子機とLED点灯機の対応は4グループまで持つことができ、グループ内で複数のセンサー子機、LED点灯機を持つことができます。
グルーピング方法に関してはこちらを参照してください。

無線システムはMONO TWELITEを使用し、基本的には購入時インストール済みの標準アプリと設定値でセンサー子機、LED点灯機共に使用できます。 ただし、混信があって通信チャネルを変えたいようなことがあると専用ツールを使った設定変更が必要です。

回路図・製作資料、PICソフトウェアは以下で参照・ダウンロードできます。
<2023.10.02記>「PICライター(PICerFT)の製作」でPICライターの自作方法を紹介しています。

子機回路図・製作資料
v2子機回路図・製作資料 <2022.12.06追加>
 「PaPIRs焦電センサーを使った無線子機の製作(最新仕様)」の方法でも作れます。<2023.01.18追記>
LED点灯機回路図・製作資料
PICソフトウェア (PIC12F1840)

<2022.12.04 追記>
上記資料の内容に対し、改善のため次の変更を適用してください。
LED点灯機回路図・構造(v2)
PICソフトウェア (v2)
<追記終わり>

子機は電池寿命(1年以上を目標)の点から単三乾電池を並列に接続することがありますが、メーカー・型名(できれば生産ロットも)が同じで、電圧が揃ったものを使ってください。 使い古したものを混在させると危険です。
また、電池の向きを間違えると過熱して危険ですので十分注意して装填してください。

焦電センサーは、ちょっと高いですが電池用仕様のEKMB130xxxxK タイプを使うと2本直列で使え、且つ電池寿命を長くすることができるので並列にする必要がなくなるかもしれません。
EKMC160xxxx タイプを使って電池を並列にしたくない場合は、ケースサイズにもよりますが単二乾電池を使う方法もあります。
使用するPaPIRsセンサーについては「猿検知装置用センサーの代替品」をご覧ください。 改造が必要になることがあります。 但し猿検知装置用センサーと使用法が異なり、レンズのマスキングはせずに使用します。

<2022.12.06追記>
EKMC160xxxx タイプのセンサーを乾電池2本で動作させるv2子機を作りました。
資料は上記資料リストに追加。  <追記終わり>

LED点灯機 Type B に使ったイルミネーション製品は赤外線リモコンかタクトスイッチで制御するようになっています。 これを組み込むに付き、タクトスイッチ回路を使ったのでは確実な点灯のON/OFFができないので赤外線リモコンを使うことにし、リモコンのボタンを押したときにショートさせる電極間をアナログスイッチでショートするようにしました。 これを制御するためにPIC12F1840のDOが3bit必要になったので元々3Vレギュレーターの出力制御に使っていたDOをその一つに充て、レギュレーター出力制御はCdS電圧をコンパレータで比較してその出力で直接行うことにしました。


(製作後記)
 初めはLEDを夜間ずっと光らせることも考えましたが、場所によっては目障りになるのではないとか思いました。
また常時光っていると動物も慣れてしまって気にしなくなってしまうのではないかと考え、それより近づくと光る方が警戒感を持たせられると思い、費用はかかりますが検知時のみ発光させるようにしました。
 今回は畑の縁に沿ってLEDストリングを設置しましたが、動物や人をかたどった形状に作ったらどうなるかということも興味深いところです。

 使用したイルミネーション LEDストリングは値段が約1,000円と安かったのですが 店によっては同じ物が3,000円以上したりしていて、品質がちょっと心配になりまず1個買ってみました。
届いたものを動作させたら問題はなかったので追加で発注した次第です。コストパフォーマンスは良いと言えるでしょう。
それにしても、5mm程度のチップ1個でリモコン信号の処理とLED発光制御ができてしまうのですから便利になったものです。安く作れるのも当然かもしれません。


(実験結果)<2023.11.14追記>
 実際に設置してみた結果、横に張ったLEDストリングは鹿が突っ込んで何度か切られてしまったりして撃退する効果はありませんでした。
LEDストリングを横に広げて張ると発光があまりインパクトがなく、鹿は大して警戒しないのかもしれません。
横に広く張るよりむしろ縦横1mぐらいの範囲内に張り巡らせた方が発光インパクトがあると思うので、今後それを試みたいと思います。


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